新米事業主はじめの一歩【いざ!現金払いの経費入力からスタート】

いよいよ、記帳入力やってみます。

今回は、今大流行りのクラウド会計でチャレンジしてみます。これまで会計ソフトをいくつも経験してきましたが、どんな具合か楽しみです!

レシートや補助簿も準備できましたので、早速記帳入力していきます。

どの画面から入力したらよいか?

入力の方法としては、金融機関の取引データと連携してデータを取り込む方法と、昔ながらの手入力に大別されます。規模が大きく取引の大半を銀行経由で実施しているような個人事業主は、金融機関との連携によるデータ入力がおススメでしょうね。銀行やクレジット会社のデータを取り込むので、会計ソフトの入力結果が実際の残高とずれてしまうということがなくなります。定型的な取引は自動で仕訳候補も出してくれるので、継続反復的取引が多い事業に向いています。

逆に現金取引の多い場合や規模の小さい事業主の場合は、金融機関の通帳や、別途エクセルで作成済みの現金出納帳か直に領収書にもとづき、手入力することになります。事業に用いる金融機関の口座に、生活のための個人取引も多く混じってる、というような場合も、こちらのほうが良いかもしれません。

ここでは、新米事業主を念頭におき、原始的な手入力でやってみることとします。

開業時の開始残高入力

早速始めようと思い、会計ソフトの画面を見たところ、新米事業主としての開始の数値を入力する必要がありそうです。そもそも、事業を開始するためにはお金がないと始められないわけで、それを表すために、事業主個人が事業のために用意したお金(元入金)や負債、固定資産を登録してあげないといけないわけですね。

個人が開業するまでには、事務所やお店を借りたり、事務用品をそろえたりします。開業準備の預金、買った商品や10万円以上のPCなどの固定資産、事務所の敷金や、借入金(あれば)は、事業開始時の資産、負債として登録します。

● 開業費

開業前の開業準備のため特別に支出した経費は、「開業費」としてプールします。たとえば、開業前の事務所の家賃や開業のための広告宣伝費、コンサルタントとの打ち合わせ会議費や交通費、購入した事務用消耗品などの経費は、開業後の収入を得るために支出した費用ということで、開業費といいます。開業費は繰延資産の一つです。開業費は、税法では任意償却が認められているので、期限を気にすることなく、費用化したい年に費用化することができます。

開始時残高では、左側に現金や預金、商品、固定資産、敷金、開業費を入れ、右側に借入金や元入金を入力します。会計ソフト画面では、元入金は、左側の合計金額と右側の合計金額が一致するように調整されます。

月々の入力

さて、やっと、月々の取引を入力するときがやってきました。

本来、仕訳帳入力や振替伝票入力で仕訳を入力するのが基本なので、会計をある程度知っている事業主の方であれば、これを利用してもよいのですが、今の会計ソフトは会計知識がなくても、直感的にわかるように、預金の入金や出金ごとに入力する画面があるので、これを利用するほうが迷わなくてよいと思います。

そして、今回は細かい金額からなる現金出納帳あるいは現金支払い経費(領収書)から入力を始めます。

たとえば、簡単入力の画面で、支払いを現金とし、あとは現金出納帳の支払や領収書の内容から、勘定科目を選び、金額、日付、摘要を入力します。

必要経費の勘定科目

必要経費の勘定科目として、主なものを示します。

租税公課:法人税住民税以外の税金に係る費用。収入印紙や消費税、固定資産税、事業税など。

水道光熱費:電気、ガス、水道費用など。

通信費:インターネット、電話料金。プロバイダー料、サーバー代、切手やゆうパック料金など。

広告宣伝費:パンフレット、チラシ制作費、アフィリエイト広告費など

接待交際費:事業の目的で取引先や得意先に対する接待に関する費用。

消耗品費:10万円未満の備品、PC、使用可能期間が1年未満のもの。

地代家賃:事務所や店舗家賃

雑費:少額で他のどの勘定にもあてはまらない経費

初めてやってみると、どの勘定科目を用いるのが良いのか迷うことが多いかもしれません。でも、必要経費の区分はそれほど厳密でなくて良く、大事なことは、同じ支出は同じ勘定科目で処理し続ける、ということです。

また、わからない、どれにもあてはまらないということで「雑費」にしすぎないように。「雑費」は、「その他」のようなものです。他の勘定の金額よりも、この「その他」に相当する金額が大きいと、何に使っているのか不審に思われてしまうかもしれません。

そして、勘定科目について迷った項目は、とりあえず入力するとともに目印をつけておいて、あとから会計に詳しい人や税理士に聞いてみるのが、早く終わらせるコツです。

今日の仕訳

今日の仕訳では、開始仕訳と現金の支払い経費を入力しました。

イメージとしては以下の仕訳になります。

なお、現金出納帳で記録していない個人事業主が、事業の経費を現金払いした場合は、事業主借勘定を用いて入力します。

事業主借とは、事業のための使うお金を事業主のポケットマネーから借りて支払ったということです。

まとめ

● クラウド会計では、金融機関データ連携による入力と、手入力による入力がある。どちらを選ぶかは、業種や規模によって取引の大半が金融機関経由かどうかや、個人と事業との区別がしっかりできているか、ということによる。

● 開業時の開始残高を入力する必要がある。

● 開業後の取引を入力する際には、入力しやすい画面を見つける。

● 入力の際には、勘定科目を選んで入力する。大事なことは、同じ性質の取引は同じ勘定科目を継続して用いること。

● 現金出納帳を作成していない現金支払いの必要経費は、貸方)(右側の科目)を、現金ではなく、事業主借として入力する。

業種にもよりますが、細かい現金取引の領収書(必要経費)入力が終われば、入力のヤマを一つ越えた、といった感じです。次は預金の入力ですね。