本日、はしもと会計の新企画「子育て向けお金の勉強講座」を開催しました。
朝はあいにくの雨にたたられましたが、爽やかなママさん達とお金の勉強ができ、楽しい半日でした。
特に、ママさん達は子連れでも働ける環境作りの活動を進めているそうで、意識の高さを感じました。未来は明るい!
今日の講座をちょっぴり報告します。
1. まず知ろう、お金の現実
文部科学省が2年に1回、子どもの学習費調査というのをやっており、その結果が公表されています。
今回は、その直近の数字(平成28年度)をクイズ形式で予想しながら進めていきました。
これがなかなか難しい。これから子どもが成長し学習費を負担するであろうママさん達には、なかなか実感がわきにくい数値ですし、すでに子育てを終えたはずの私にとっても驚きの連続でした。
つまり、ざっくりまとめると、こういうことではないかと思います。
公立学校へ行かせた場合
一人の子どもを幼稚園から高校まで公立で進めると、学校へ支払う金額は250万円。
さらに、公立の大学へ行くと250万円必要なので、両方あわせると500万円。
この500万円が、幼稚園から大学までをすべて公立で進めた場合の、学校に対して支払う金額の合計です。一人の子どもを大学まで行かせるなら、最低これだけはかかるよという教育費ですね。
でも、今や、学校外でおけいこや学習塾に行かせるのが普通になっています。その場合は、さらに300万円必要になります。このため、幼稚園から大学まですべて公立とした場合の総学習費用は800万円とされるわけなのですね。
私立学校へ行かせた場合
私立学校の費用負担は、公立と比べると、重いです。
まず、幼稚園から高校までの学校へ支払う金額は、合計1,200万円。すべて公立の場合と比べて950万円も多い。特に、小学校の増え方が大きく、500万円も多いです。
次に私立の大学へ行かせると、4年間で550万円であり、公立の大学に比べて300万円多い。
さらに、私立の場合でも、学校外のおけいこや学習塾の費用は公立より300万円多い600万円の負担となっているようです。
結局、すべて幼稚園から大学まで私立へ行かせると、2,400万円となります。
2. 子どもにかける教育費
誰でも、子どもには精いっぱいの教育を与えたいと思っています。でも、普通の家庭が、その教育費を支払い続けられるでしょうか。
そこで、ライフプランシミュレーションを利用して、高校から私立学校へ行かせた場合のキャッシュフローを見ていきました。
(インターネットで検索してみますと、銀行や生命保険などいくつもの会社が、誰でも利用できるようなライフシミュレーションサービスを展開しています。)
結論。
これが、正直、厳しい内容でした…。
詳しくは次回の講座で取り上げますが、平均的なサラリーマンの家庭でよくやりくりできるものだと思います。子どもにお金を準備していると自分達の老後のお金がなくなってしまう、ということがよくわかりました。人生100年時代と言われてはいますが。
3. まとめ
● 子ども一人幼稚園から大学まですべて公立の場合、学校へ支払う費用は500万円。そのほか学校外への支払いが300万円。
● 子ども一人幼稚園から大学まですべて私立の場合の学校へ支払う費用は、公立の学校より、1,250万円多い1,750万円。学校外への支払いは公立より300万円多い600万円。
今日の講座では、教育費というお金の実態を話題にしました。
でも、どのような学校に行かせるかは各家庭の教育方針によるのであって、お金は二の次です。
こんなに厳しい教育費の負担も、子どもの前で話題にすることは少ないでしょう。
肝心の子どもは勉強することに追われ(「夢中」ではなく)、この費用負担の厳しさを理解するのは、せいぜいで約30年後、子どもが親になり私たちと同じような立場になったとき、なのでしょうか。それが本当に良いことなのでしょうかね?
改めて、子どもにかける教育費について、考えさせられました。